• Home
  • /
  • 記事を探す
  • /
  • フィジカルAIは"試して学ぶ"時代へ。Physical AI Meet Up開催レポート

フィジカルAIは"試して学ぶ"時代へ。Physical AI Meet Up開催レポート

........

  • 更新日
  • 公開日
  • 2026.10.09

 ロボットが環境を理解し、自律的に判断・行動する「フィジカルAI(Physical AI)」は、製造業や物流業界における次世代の自動化技術として注目を集めています。今回開催した「Physical AI Meet Up」では、フィジカルAIの基礎から最新の実装事例、スモールスタートに向けた開発アプローチまでを紹介しました。さらに、交流会ではPhysical AIに関心を持つ企業同士が集まり、導入に向けた課題や今後の可能性について活発な議論が交わされました。本レポートでは、当日の講演内容と交流会の様子をご紹介します。

1. はじめに

 製造業や物流をはじめとするさまざまな分野で実用化に向けた取り組みが進む一方で、技術の全体像や導入までの道筋はまだ見えづらく、多くの企業が活用方法や実装へのアプローチを模索しています。

 そこで今回、フィジカルAIに関心を持つ企業同士がつながり、情報交換や議論を深める場として「Physical AI MeetUp」を開催しました。本イベントでは、技術解説や実践事例の紹介に加え、交流会を通じて参加者同士の活発な意見交換が行われました。

2. Prox Industries株式会社が語るフィジカルAI実装の最前線

 講演では、東大 松尾研発スタートアップであるProx Industries株式会社より、フィジカルAIを活用したロボット開発の最新事例が紹介されました。

 従来の産業用ロボットは、高精度な繰り返し作業を得意とする一方で、対象物や工程が変わるたびにプログラム変更やティーチングが必要でした。これに対しフィジカルAIは、「認識」「判断」「制御」をAIが一体的に行うことで、変化の多い環境にも柔軟に対応できる点が大きな特徴です。

実際の事例としては、

  • タオルの折り畳み
  • 野菜の袋詰め
  • ヒューマノイドによるキッティング作業

 などが紹介されました。特に、ワイヤーハーネスや衣類のような柔軟物は従来手法では自動化が難しい領域であり、フィジカルAIによる新たな可能性が示されました。

 また、単一のAIモデルだけでなく、VLA(Vision-Language-Action)モデルや強化学習と従来のルールベースを組み合わせたハイブリッド手法での実装など、より短期での社会実装を見据えた現実的なアプローチについても解説され、フィジカルAIが研究段階から実装フェーズへ移りつつあることが印象的な講演となりました。

3. 小型ロボットアームで始めるフィジカルAI実装

 続いてリョーサン菱洋株式会社 江田より、「小さく始めるフィジカルAI」をテーマにした講演を行いました。

 講演では、ロボット向けAIの学習方法として、模倣学習、強化学習、VLAモデルの3つを分かりやすく整理。中でも近年注目を集めるVLAモデルについて詳しく解説しました。実演では、小型ロボットアーム「SO-101」を用いて、積み木を認識し指定位置へ配置するデモを披露。人がロボットを遠隔操作して収集したデータをもとに、NVIDIAのロボット基盤モデルを追加学習させることで、自律動作を実現した事例が紹介されました。開発プロセスは、データ収集、モデル学習、実機へのデプロイという比較的シンプルな流れで構成されており、フィジカルAIをスモールスタートで検証する現実的な手法として、多くの参加者の関心を集めました。

4. ネットワーキングで広がるフィジカルAI活用の可能性

 今回、フィジカルAIの活用を検討する企業同士がつながり、知見や課題を共有できる場として交流会を開催しました。当日は登壇者との意見交換や技術的な質問はもちろん、来場者同士が導入検討状況や活用アイデア、PoCの進め方、現場課題などについて率直な議論が交わされ、フィジカルAI活用に向けた新たな気づきや今後の取り組みにつながる交流の場となりました。アンケートからも、技術的な学びだけでなく、参加者同士の交流に価値を感じていただけたことが伺えました。

 私たちにとっても、交流会を通じてフィジカルAIへの関心や期待の高さを改めて実感する機会となりました。講演だけでなく、参加者同士の対話からも多くの知見や課題意識が共有され、フィジカルAI活用に向けたコミュニティ形成の重要性を感じるイベントとなりました。

お客様の声

 今回のイベント終了後のアンケートでは、多くの参加者から好評の声をいただきました。特に、フィジカルAIの学習方法や実装アプローチに関する講演内容に加え、参加者同士で情報交換ができる交流会についても高い評価をいただきました。

「Physical AIのおおまかな学習方法が理解できた」

「AIとルールベースを組み合わせるという考え方が参考になった」

「他社との交流もできて大変有意義なイベントだった」

「講演も交流会も大変良かった」

5. まとめ | フィジカルAIは“試して学ぶ”時代へ

 今回の「Physical AI Meet Up」では、フィジカルAIの基礎から最新の実装事例、そしてスモールスタートによる実践的な開発アプローチまで幅広く紹介されました。

 講演を通じて見えてきたのは、フィジカルAIがもはや研究開発部門だけのテーマではなくなりつつあるということです。特に製造業や物流業界では、人手不足や業務効率化への対応策として、実際の現場適用を見据えた検証が進み始めています。

 重要なのは、最初から完璧な自動化を目指すことではありません。小さなテーマから検証を始め、自社業務に適用できる領域を見極めながら段階的に取り組むことが、フィジカルAI活用への第一歩となります。

 今後もリョーサン菱洋では、お客様とともにフィジカルAIの可能性を探求し、新たな価値創出に向けた共創を推進してまいります。

AUTHOR

重橋 優希

プロモーション企画・運営を担当。製造業・技術者向けのウェビナ、オフラインイベント、展示会を中心に、企業の皆さまの課題やニーズに寄り添った情報発信を、分かりやすく価値ある形で届けることを大切にしています。お客さまとの対話やイベント運営を通じて得た知見を生かし、実務に役立つ情報の発信に取り組んでいます。

こんな記事もおすすめ

その他お役立ち情報を探す

記事一覧にもどる

関連イベント